【保育の変革期を乗り切る園長の仕事術】
久々のクソ真面目な読書感想文です
保育の本です
一章読んでは書き、書いては読みをしたので今回は章ごとに書きました
《はじめに》若月芳浩先生
はじめにの切り込み方が刺激的。ドキッとする園長もいるのでは。この本ができた想いや熱意が伝わる文章でした。
《園長の仕事をリデザインしよう》田澤里喜先生
今の園長に求められている資質や向かうべき方向性が分かりやすく書かれていました。園長は大きく分けて、保育と経営の2つの仕事があり、そのどちらに偏っても良い結果にはならない。保育の質を高めていくことと、その一方で職員の待遇改善や保護者対応など園で起こり得る全てのことに対して、最終的な責任を持つ立場であることを再認識させられました。
《園の理念を考える》妹尾正教先生
園の理念の話。園を船にたとえ、理念を向かうべき目的地にたとえられていました。学生で学んだTAPのプログラム作りや組織作りを彷彿とさせる内容。大きな組織として動いていくからこそ、何のために?という(熱い)思いが一番はじめにあることが大事。さらに、そこに進んでいくための具体的なプランや今の職員の現状に沿った研修など、Visionを掲げ、そこに向かっていくための具体策まで周到に練っていく必要性を感じました。
《チームビルディング》安達譲先生
保育者の同僚性や新任、中堅の保育者をどう育てていくかという話。やり方や伝統、保育の技術面を教え込むのではなく、その組織の中の人間関係の中で聴きやすい、相談しやすい関係性を築くことが大切だと感じた。そのためには就職内定後の研修や、日々の振り返りの方法にも工夫が必要だし、組織内の人間関係を適切に捉える(ここが一番重要で難しい部分だと思う)ことも求められる。悩んでいる新人に主任がフォローに行くのと、1つ上の若手の先輩がフォローに行くのではきっと違う結果が出るのではないか?グループダイナミクス、人間関係論なども学んでいきたい。
《キャリアパス、人材育成》亀ヶ谷元譲先生
キャリアパス=仕事の経験歴を通じ、昇進、昇格へ進む経路、長期的な職務の道や展望を示したもの、についての話がメイン。多くの園で保育者の早期退職や同期が連なっての退職はあると耳にする中で、どうしたら働きやすく、やりがいを感じながら保育に携われるかを考える重要性が書かれていました。自園の現状の課題を見極め、それに見合った改革・改善をしていくこと。ICT化、職場環境の見直し(特に時間、空間、仲間の三間)などがキーワードになるかなと感じました。
《保護者対応》若月芳浩先生
園長としての保護者対応について。
ヒヤリとする若月先生の失敗談。惜しげなく自分の体験を書いてくださったことに懐の広さを感じました。変化には痛みが伴う、なんて台詞をどこかで聞いたことがありますが、保育を変えていくことでそれが子供にとっての良いことであっても、保護者から見れば手抜き、言っていたことと違うという風に映ってしまうこともあるのだということ。それを極力抑えるためには、事前にしっかり活動内容やその意図まで説明をすることが大切なようです。
《地域資源の活用》坂本喜一郎
地域資源の活用は個人的にとても興味のあるテーマです。子供には、本物に出会う経験をさせてあげたい。そうなると、一保育者では限界があることもしばしば。でも、周りを見渡してみると、色々な店や施設があり、そこには専門性を生かして生活をしている人たちがいる。そういう文化や、広く言えば社会と出会わせてあげるのは保育者の役割の1つではないかなと感じています。
一方で、やはり園外へと出ていくことにはまだまだ安全面の観点から、心配や不安が残ることも事実。模索していきたいテーマです。
《子育て支援》田澤里喜先生、木村創先生
子育て支援、これも教育要領で幼稚園が地域の幼児教育のセンターとして位置づけられたことで、私自身、保育関係の本や関係者との話でよく聞くようになりました。一担任として保護者と関わる中で感じたことではありますが、子育てに対して不安を募らせている保護者はやはり多いように感じます。昔がどうであったかは分かりませんが、「うちの子、大丈夫でしょうか?」と不安を吐露したり、中には面談で涙を流されたりする場面にも立ち会ってきました。そんな親が増えてきているであろう世の中で、幼稚園側として何ができるか、ということを真剣に考えたいと思いました。子育て相談に留まらず、地域に開かれた子育てに関係するすべての人が気軽に立ち寄れるような場を作っていきたいです。
読んでみた率直な感想は
「こんな本が欲しかった!!」
でした
自分も保育に携わる身として
そしていつか園長として、園を運営していかなければいけない立場として
知りたかったあれこれや
自分が園のリーダーとして進んでいくための原動力になってくれそうな一冊でした
この先、進む道を迷ったら何度でも読み返したい
そんな本に出会えたことに感謝です
おわり